免疫バランス制御評価による機能性素材開発
生体内の免疫バランス(タイプ1免疫VSタイプ2免疫、あるいは細胞性免疫VS体液性免疫)によって健康状態が制御されていることが明らかになっており、その破綻は、癌、アレルギー、感染症、自己免疫病など多くの疾病発症要因となる。従って、免疫バランスの制御をターゲットとして、特に北海道産の農水畜産物からの機能性物質の単離、同定、作用機序に関する研究によって、種々の疾病の治療や予防に役立ち得る医薬品や食品の開発が可能になる。
本研究においては、効率的な免疫バランス評価系を構築し、食材中に含まれる免疫制御因子を探索するとともに、それら候補因子の免疫バランスに及ぼす効果を検証する新しい評価システムを細胞及びマウス個体レベルで構築する。本研究で得られる研究成果を、より有効な免疫バランス制御食品や医薬品の開発研究に結びつけ、北海道内のバイオ産業の活性化のみならず、最終的に開発に成功した製品についてヒト介在性試験を行ないアレルギーや癌を含む免疫関連疾病の予防、治療に役立てる。
研究テーマ代表者:北海道大学遺伝子病制御研究所
教授 西村 孝司 (Takashi NISHIMURA, Ph.D.)