Bio-S 2011上半期
今年で5年目を迎えるBio-S。
この上半期は、人材育成、地域連携、研究成果、それぞれひとつひとつの取り組みが着実に「深化」したと言えます。
クラスター形成の実現を目指すBio-Sの2011年上半期の活動です。
消化管体験ツアー
健康科学産業を支える人材の育成へ向けた取り組みとして、Bio-Sが支援している「消化管体験ツアー」。 Bio-Sに参加する研究者が講師となり、子ども達に、食べ物が口から入り排出されるまでの仕組みを楽しみながら体験してもらいました。 子供達がサイエンスに関心をもち、発見する楽しさを実体験できる場を提供することで次世代の人材育成に貢献します。 研究室を飛び越え、ショッピングモールで実施したり、フォーラムで展示したりと、若手研究者達が中心となり取り組んでいる様子です。
免疫バランス制御評価による機能性素材開発
すでにいくつもの道産素材から動物実験をとおし免疫制御活性を発見している西村グループ。 北海道産の黒大豆「黒千石」の分析で、 感染抵抗力を高めるインターフェロンーγを誘導する成分が含まれていることがわかりました。 機能性が確認された事で、きなこやお茶など、様々な商品として全国に流通が始まっています。 北海道の素材に、科学的に実証された機能性という付加価値がつくことで、 北海道に新たな可能性と価値が生まれると考える西村教授の挑戦を追いました。
Bio-S フード・サイエンス カレッジ
2010年9月に開講した「Bio-S フード・サイエンスカレッジ」。 健康食品開発の最前線で活躍できる人材の育成を目指しています。 食と健康に関わるサイエンスの正しい知識や法規制をはじめ、 健康食品開発の現状や市場等、幅広い講義内容の他、 農地や研究施設に直接足を運んだり、調理実習や合宿によるサイエンス・コミュニケーション研修も実施しました。 全15回に渡り展開された第一期生のベーシック・プログラムの様子です。
Bio-S New Function
Bio-S発の素材研究では、既にいくつかの機能性素材に注目が集まっています。 北海道大学の松井教授は、エピラクトースというオリゴ糖の生理機能の解析と機能性食品の開発・検討に取り組み、企業との共同研究も進んでいます。 北海道大学の原教授は、プラズマローゲンという脂質の分析方法の開発や、素材探索に取り組み、動脈硬化との高い相関が明らかになりました。 Bio-S発の新しい素材が、人々の健康への願いを叶える新たな指標となる日が、近い将来訪れる事が期待されています。
さっぽろバイオクラスターBio-S2009年度の軌跡
健康科学産業クラスターの創出を目指すBio-S。 各種セミナーやイベントの等を開催した2009年度の取り組みの総決算です。 研究成果や未来への指針を道内外へ発信する様々な活動を通じてBio-Sへの理解や期待はますます高くなっている事を実感しています。
さっぽろバイオクラスターBio-S概略
北海道が生み出す豊かな食資源。この食資源に、最先端のサイエンスで付加価値を付け、健康科学産業の一大クラスターを創造しようと進められている、Bio-S。 研究者たちのたゆまぬ挑戦、また民間企業との共同研究などによって、食と健康の関連性をサイエンスの力で解き明かし、人々の健康維持に貢献していく事を目指しています。 ますます期待が高まるBio-Sの概略を紹介します。
麦芽乳酸菌の腸管組織に対する生理活性の解明と健康食品開発
サッポロビール社でスクリーニングに成功していた、抗アレルギー性体質改善効果を持つ菌株である、麦芽乳酸菌SB88。 そのSB88の強い生理活性に注目した旭川医科大学の高後教授は、腸管保護機能の研究アプローチで、新機能を見出す事ができるのではないかと考え、サッポロビール社との共同研究が始まりました。 実用化へ向けた取り組みに大きな期待が寄せられています。
脂質代謝改善作用をもつ機能性素材開発(サブテーマ2)
北海道大学の千葉教授が取り組むのは、過酸化脂質の網羅的解析法と抗動脈硬化・抗老化検査法の開発です。 人間の健康と深い相関のある、脂質の酸化。 その酸化した脂質の測定系を確立し、機能性食品の開発に役立てればと、学部や大学の枠を超えた先生方との共同研究も進んでいます。 高度な脂質解析ラボを創設する事を目標に、チャレンジを続けています。
消化管機能評価による機能性食材開発
北海道大学の綾部教授は、腸管上皮細胞機能評価系を確立することで、食品の生体に与える作用を評価する新たな方法の開発を目指す。 北海道大学の山田准教授の環境応答型蛍光色素プローブの技術と、札幌の地場企業であるプライマリーセルとの連携で、北海道発の技術の連携・実用化に向けた研究が進んでいます。
Bio-S in BioJapan2009
2009年10月、パシフィコ横浜において開催されたBioJapan 2009に出展。 事業概要及び研究内容を紹介するパネル展示のほか、パンフレットの配布などを行いました。 研究成果事例として、蛍光ソルバトクロミック色素、タンパク質分離濃縮装置(Nativen)や、免疫バランス改善食材などを展示。 また、期間中は北海道大学の西村孝司教授や山田幸司准教授も説明に立ち会われました。 活気にあふれたBio-Sブースの模様です。
認知症診断バイオマーカー探索と神経変性抑制作用素材評価
北海道大学の稲垣教授は、認知症診断用バイオマーカーの探索、 および、臨床検査・診断キットの開発/実用化を目指した研究に 取り組んでいる。サンプルの採取から実用化へ向けた取り組みを 北海道大学をはじめ、弘前大学、東京の臨床検査会社と共同で行う。 北海道の枠を超えた産学連携による新たなチャレンジが始まっています。
SPECIAL TALK Bio-S 事業総括 鈴木文夫 × Bio-S 研究統括 五十嵐靖之
2009.7月、北大北キャンパスレストランポプラにおいて、Bio-S事業総括鈴木文
夫氏とBio-S研究統括五十嵐靖之氏が対談。
Bio-Sの強み、未来像について熱いトークが交わされました。その模様のダイジェストでお送りします。
機能性食品開発のための基盤整備
北海道情報大学の西平教授が取り組むのは、 機能性食品ヒト介入試験モデルの構築。 大学・企業・地域が一体となった 新しい評価システムの未来像を目指します。
抗酸化作用をもつ機能性素材開発
旭川医科大学の若宮教授が取り組むのは、 抗酸化作用をもつ機能性素材開発を目的とした ポリフェノール類の総合評価システムの構築。 独自のネットワークを築きながら、新しいコンセプトの 食品産業を目指す取り組みが進んでいます。