西平 順 × 株式会社アミノアップ化学
研究テーマ:機能性食品開発のための基盤整備
科学的エビデンスが企業にもたらす価値
自然の恵みを探求し人と環境に優しい製品を作り出したい。私たちはそんな願いのもと、キノコ、大豆、ソバ、シソなど自然素材に由来する機能性食品を作り続けてきました。弊社はこれまでも、世界各国の大学や研究機関と共同研究に取り組み、開発製品の科学的エビデンスを追求してきました。その結果が国内外合わせて十三カ国、二十四件の特許取得へとつながっています。
健康食晶に科学的に実証されたエビデンスが確保できる事は、商品の大きな信頼性と差別化につながります。特に健康へのニーズが高まる今こそへ客観的に評価された安心・安全な商品を世に送り出す事が私たち企業の使命なのではないでしょうか。
道内企集に大きなチャンス
健康食品のヒト介入試験は、これまで国内ではほとんど行うことができませんでした。動物実験レベルの評価方法に留まり、ヒトによる客観的評価を得ようとすると海外で試験するより方法がなかったのが現状です。しかし、海外で試験を行うと億単位での経費がかかります。これでは中小企業では実施は難しいですね。今回Bio-Sに参加させていただいたのは、ヒト介入試験の仕組みを北海道に作り、道産素材や地場企業の製品に高い信頼性と付加価値を作ろうというコンセプトに非常に共感したからです。共同研究では、弊社の新製品である低分子化ポリフェノールの効果をヒト介入試験で確認しようとしています。道民のボランティアを対象に食後高血糖への効果を調べる試験を行っています。私たち企業が研究に関わる事で、実用化へのスピードアップや企業ニーズの蓄積にお役に立てると嬉しいですね。
北海道の真の価値を世界に発信
またこれまで私たち健康食品の業界は、商品のアピールが下手だと言われてきました。せっかく安全で質のいい商品が開発できても、ネーミングやパッケージのデザインが今ひとつ、マーケティングも苦手でなかなか売れないという現状があったと思うのです。でもその商品に客観的に実証された科学的エビデンスが得られたら、何よりも強いアピールになると思います。Bio-Sで構築される機能性評価の基盤は、北海道企業が世界にアピールできるこれ以上無いチャンスではないでしょうか。その仕軽みづくりにこれからも全力で貢献したいと考えています。
取材先:株式会社アミノアップ化学